ベトナム ダナン 筋トレ日記

ベトナム・ダナン在住、主に筋トレ日記。

筋トレでフル出力による急加速を止めよう

【注意】本記事は専門家による医学的知見からの監修を受けておらず、あくまで個人的な体感に関する内容となっております。慢性的な痛みがある場合は、まずは接骨院での診断を推奨します。

 

ベンチプレスは楽しいものです。

筋肉が増えれば記録も伸び、神経系が発達することでも高重量を扱えるようになり、更にはフォームの組み方やレッグドライブなど技術を磨くことで、競技性も高まります。

ベンチプレスの基本動作はバーベルを胸まで下げて、押し上げる(挙上)という動作を行いますが、肩・胸・上腕・前腕の筋肉、肩関節、肘関節に負荷がかかるためケガをしやすい種目でもあり、本格的に重量を伸ばし始めるとどこかしら痛みが出るものです。

私の場合、ベンチプレスを初めてから最初の1年は慢性的な肩の痛みに悩まされ、肩を下げる(肩甲骨の下制、内転)ということを理解してからは肩を痛めなくなりました。

その代わりに発生したのが、上腕三頭筋と肘関節の付け根の痛みです。

自重の腕立て伏せでは痛くないのに、いざベンチプレス台に寝てバーを挙上すると、40kgのウォームアップでも痛みを感じるようになりました。

 

肘が痛いという場合、肘関節周辺の神経に刺激があるのか、肘に接する筋繊維の問題が上げられます。

私の場合、上腕三頭筋とわかっていましたがケーブルプレスダウンのような収縮運動では痛みを感じず不思議でした。バーベルまたはダンベルを使用したプレス動作のみで痛むのです。

痛みを感じるのはどのような時なのかゆっくりと動作を確かめていくと、痛める瞬間を見つけることができました。

それは、挙上中に最も辛く筋繊維に負荷がかかっているボトムを抜ける瞬間だったのです。

押している最中よりも、押し終わった瞬間に痛みを感じていたのでした。

 

この問題は挙上時に一気に加速して、力が抜けることで発生しています。これをバリスティック動作(Ballistic movement, Ballistic motion)と呼びます。

ジャンプする瞬間や、剣道・バドミントン・バスケットボール等のアキレス腱を使った急加速もバリスティックな動作であり、バーピーのようなバリスティック動作を繰り返す事をプライオメトリック動作と呼ひます。

バリスティック動作では一気に加速するため、運動エネルギー(F)は重量(m)と加速度(α)によって増大します。(F=mα)

100kgのベンチプレスをしているはずが、バリスティック動作によって100kg以上の負荷が瞬間的に筋繊維にかかっていたのです。

一般的に、「バリスティックトレーニング」と呼ばれるトレーニング方法では、コントロールできる重量(普段よりも軽め)で爆発的な出力を繰り返すことで筋力を高めるそうですが、出力時と負荷が抜ける瞬間のギャップが大きいため、筋繊維への負荷が大きく、肉離れを起こす可能性があります。

 

ベンチプレスでバリスティック動作はどのような時に起こるのでしょうか。

それは降下速度をコントロールせずバーが自由落下に近い形で降下し、ボトムでグッと力を入れて押し止め、そのまま切り返すという動きと思います。

バーが加速して落ちてくるわけですから、押し止めるボトムで高負荷がかかっており、挙上中にスティッキングポイントを抜けると一気に力が抜けます。

バー降下時は脱力せず筋肉に力を入れコントロールし、挙上中は最も辛いところを抜けても急に脱力してはいけません。

軽い重量を扱う時はついバーを上に跳ね上げるような速いプレスをしがちですが、軽い重量でも筋肉を痛める最たる例です。

「ポジティブ・ネガティブ動作の速さを一定にする」意識を持つと、ウォームアップからメインセットを超えても痛みがでなくなりました。

ベンチプレスのみならずウェイトトレーニングでは、丁寧な動作を心がけましょう。